傑作〈夜のプロヴァンスの田舎道〉が16年ぶりの来日。
少し前ですが、福岡市美術館で開催された「ゴッホ展 -響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」に行ったときの様子をお届けします!
感想
昨年、原田マハさんの『リボルバー』を読み、ゴッホや美術に興味を持ち始めた矢先、目にしたのは「ゴッホ展開催」のお知らせでした。
これは行くしかないということで、友人とふたりで行ってきたのですが、もう、、圧巻。
絵画を美術館に見に行くのは初めてで、ドキドキソワソワしていたのも束の間。展示室に入るや否や、その世界観に一瞬で取り込まれました。
絵を見るまでは、本を読んでもネットで調べても、どこか架空の人物のようにしか感じられなかったゴッホの存在。しかし、絵を見た途端に「ゴッホは実在したんだ」と魂を揺さぶられました。
正直、絵の詳しいことは分からないし、技法がどうだと言われてもピンときませんが、100年以上前に遠く離れた地でゴッホが描いた作品がまさに自分の目の前にあり、その絵と”今”1対1で向き合っていると思うと、一歩もその場から動けなくなるような、不思議な気持ちでした。
時代を超えて、国境を越えて、多くの人を介して、その絵が届けられている。画家や絵画のもつパワーを感じられ、ますます魅了される素敵な展覧会です!
さらに、グッズがどれも可愛くて、念願のブックカバーと栞もゲットしました。
ゴッホ展とは
ゴッホ展ってどんなの?
簡単にまとめてみたよ!詳しくはココをチェックしてね。
概要
本展は、昨年の9月から東京、福岡、名古屋と巡回している展覧会で、その主役となるのが今や多くのファンを誇るフィンセント・ファン・ゴッホ。
そんなゴッホに魅了され、世界で最も多く彼の作品を収集したのはヘレーネ・クレラー=ミュラーというひとりの女性でした。
本展は、彼女が初代館長を務めたクレラー=ミュラー美術館から48点、そしてファン・ゴッホ美術館から4点、合計52点ものゴッホの作品が展示されています。
さらに、ミレーやルノワール、スーラ、ルドン、モンドリアンらの作品20点も集結。見ごたえ抜群の展覧会です。
展示構成
本展は、まるでゴッホの人生を辿るかのように、時代を追って作品を楽しめるようになっています。
初期に描かれた素描画は、今思い描くゴッホのイメージとはかけ離れていて、「ゴッホもこうした絵を描いていたんだ」と驚きました。
とは言っても、これで素人なの…?と疑うほど上手いのですが(笑)小さい頃から素質があったんですね。
そんな風に、作品の背景も楽しみながら、どうやってゴッホらしい”あの”特徴のある絵になっていったのか。その変遷を楽しむことができます。
個人的に興味深かったのは、時代ごとに色使いや描く対象が全く違っていたことでした。
住む場所を転々としていたゴッホは、それぞれの場所のイメージやそこで出会う人々に影響を受け、大きく絵の印象を変えます。
希望に満ち溢れている時代、絶望の淵に立たされている時代など、ゴッホの心情や生き様がすべて絵に表れているのです。
こうしたゴッホという人物を、絵を通して知っていくことができる。これがロマンというものか…と、胸が高鳴ります。
ゴッホの壮絶な人生
ゴッホ展おもしろそう!
でも、ゴッホのこと詳しく知らないしなあ。
少しでもゴッホを知ってもらうために簡単に紹介するね!
予備知識があると、よりゴッホ展も楽しめるよ~
周りと馴染めない幼少期
ゴッホは、1853年(今から約170年前)にオランダ南部で牧師の家に生まれます。
小さな頃から性格に難があった彼は、周りと馴染めない幼少期を過ごしました。
そして16歳の時。そんな彼を見かねた叔父の紹介で、グーピル商会に画商として働き始めることになります。
そこからハーグ支店、ロンドン支店、パリ支店と転々としますが、最後はそこも解雇に(当時23歳)。
画家を目指す
グーピル商会をクビになったあと、一度は聖職者を目指しますがそれも挫折。
そしてついに27歳の時。小さな頃から好きだった絵を描くことと本格的に向き合うようになります。
オランダの街を転々とし、その間は画商をしていた弟テオから援助を受けるかわりに、描いた絵を送っていたそう。
この時代は「オランダ時代」と呼ばれ、貧しい農民の生活など”暗い作品”が多いのが印象的です。
パリへ
そして33歳の時。ゴッホはテオを頼りパリへ行きました。
当時パリでは、モネやルノワールなどの印象派が流行っており、ゴッホはそうした絵に大きな影響を受けます。(印象派というのは、見たものをそのまま描くのではなく画家自身が受けた印象を描くスタイルのこと)
さらに、ゴッホは当時ヨーロッパで人気だった日本の浮世絵にも出会い、日本への憧れを強めていたそうです。
しかし、ここでも画家仲間とはうまくいきませんでした。
アルルに移住
それから1年後、ゴッホは南フランスのアルルに移住します。
そこで、画家たちと共同生活をしながら絵を描くという理想郷を思い浮かべていたのです。
エネルギーに満ち溢れていたゴッホは、〈種まく人〉〈夜のカフェテラス〉〈ローヌ川の星月夜〉〈ひまわり〉など名作を次々に生み出していきます。
そして、画家仲間・ゴーギャンと念願だった共同生活をスタートさせますが、徐々にその仲は分裂。
最後にケンカ別れとなった際、ゴッホは自身の耳を切るという行為にまで至ったそうです。
最期
精神的に病んでしまったゴッホは入退院を繰り返しますが、そんな中でも絵は描き続けました。
この時代に〈アイリス〉〈二本の糸杉〉〈星月夜〉などが誕生します。
そして最後は、パリ近郊に移り、自らを銃で撃ち亡くなりました。
(注)諸説あり
なかなか厄介な性格だったんだね。
壮絶な人生でびっくり。
うんうん。
でもこうして人となりを知ると、絵の想像が膨らんで面白いよ。
記事を作成する際に参考にしたサイトは、https://youtu.be/JE3kfwYxVgc です。
(参考:こやぎ先生の美術チャンネル「【ゴッホ展】情熱の男ゴッホの人生をイラストで追う!!東京都美術館の展示に向けて予習をしましょう♪」2022年2月22日)
おわりに
ゴッホ展の内容からゴッホの人生まで、簡単にご紹介しました。
2月23日~4月10日まで名古屋市美術館にて開催されているそうなので、興味のある方はぜひ!
かわいいグッズもたくさんありますよ~。
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